時は三代将軍家光の頃。伊達領水沢(現在の岩手県奥州市)福原の領主・後藤寿庵の屋敷へ、伊達家重臣・片倉小十郎の指示を受けた千樹という忍びが訪ねてくる。

寿庵は敬虔なキリシタン武士。日増しに厳しくなる禁教令にも屈せずに布教を続け、ついに幕府から捕縛の命が下される事態となっていた。

千樹は、そんな寿庵をある場所へ連れていくという極秘任務を帯びていたのだ。

命がけの信仰を貫くキリシタン武士に届く、ひとつの福音。
しかし幕府による禁教徒狩りの魔手は、すぐ間近に迫っていた…！！

ここは吉原を代表する花魁、高尾太夫のお座敷。見習いの少女たち、五月やもみじも一緒に、今宵のお大尽様をお待ちしているところです。
そのお大尽とは、なんと日本一の将軍様。この栄誉ある役どころを、当日劇場にお越しの皆様の中からどなたかお一人に演じていただきます。ご案内役の一八が希望者を募りますので、ぜひ積極的にご参加を！
将軍様には伝統のお座敷遊び「投扇興」ほか、心づくしのおもてなしをご体験いただきます。

百花の咲き乱れるごとく、尽きせぬお楽しみの数々……
絢爛豪華な常春の宴へ、あなたをご招待いたします！

剣の道を志し、仕官の口を求めて故郷の水戸から江戸へ出てきた椿。たまたま見つけた迷い猫・ニャンまげの飼い主を探すうちに、同郷の浪人である安兵衛と再会する。

2人が茶屋に立ち寄ると、店主の老人から興味深い話を聞かされる。なんと、「ちょんまげのある大猫を捕まえた者を、徳川将軍家の家臣に取り立てる」という前代未聞のお触れが出ているというのだ。

進むべき道の定まらぬ侍たちに訪れた、またとない出世の好機！
はたしてニャンまげの正体とは…そして謎のお触れに隠された真相とは？！

関白・豊臣秀吉が小田原の北条氏を滅ぼし、ついに天下統一を果たした1590年7月。伊達家の忍び衆・黒脛巾組の佐平と小八子は、ひそかに常陸国の逆井砦を訪れる。

北条領の最北端に孤立するこの砦では、主君の降伏を知らされぬまま、風魔孫右衛門率いる風魔党の忍びたちが今なお籠城を続けていた。

彼らの命を残党狩りから救うために投降を促すのが、片倉小十郎より2人へ与えられた任務なのだが…。

北辺の砦に取り残された敗軍の忍びは、何のために戦うのか？
そして黒脛巾組と風魔党、因縁の対決の結末はいかに？！